未利用魚活用の取り組み~商品化から販売まで~【島根県隠岐郡海士町】

2023年4月より大倉は島根県の離島、隠岐諸島の海士町(あまちょう)で獲れる「未利用魚」を活用するための取り組みを行っています。

【海士町の未利用魚活用の取り組み概要】

2023年4月より大倉は島根県の離島、隠岐諸島の海士町(あまちょう)で獲れる「未利用魚」を活用するための取り組みを行っています。

島の漁獲量の半分以上は定置網で漁獲され、そのうち毎年100〜300tの未利用魚
(漁獲量の不安定さ・サイズのばらつき・加工の手間・知名度の低さなど様々な理由により利用しづらいため、市場価値が低く、出回っていない魚)が発生する状態でした。

大倉ではこの魚を食用で流通することが出来ないか、取り組みが始まりました。

商品化への取り組み

毎年12月~3月ごろに旬を迎え、大漁となるマイワシ。

海士町ではこの大量のマイワシを加工、保管する場所や人員が確保出来ていない状態でした。

そこで、海士町で獲れたマイワシを香川県高松市の加工場へ輸送する計画が始まりました。

海士町では盛漁期を見極めて、より効率的にマイワシを漁獲できるよう工夫が日々行われる中、
様々な関係会社の協力のもとに足が早いと言われるマイワシの流通ルートの確立に至る事ができました。

高松では急速冷凍で脂乗りのよいイワシを新鮮なうちに
最新の急速冷凍機で凍結。

一般的な冷凍は-18℃以下で保つことを指しますが、こちらの設備では-35℃の高湿度冷気で形状・美味しさを保ったまま保存する事が可能です。

海士の旨い魚 ブランド化

大倉では「島前(どうぜん)いわし」として海士町のマイワシをブランド化、販売を行いました。

・島前(どうぜん)いわし

隠岐諸島にある4つの有人島のうち、本土から見て手前に位置する中ノ島(海士町)は島前(どうぜん)と呼ばれる事からネーミング。

海に囲まれたイメージを連想させ、島のご馳走であることをPRしました。

お客様への提案の際は、同取り組みを紹介させていただき、いままで未利用魚を知らなかった方や漁業関係の方にも反響を頂くことが出来ました。

鮮魚入り合わせセットの販売

マイワシ・サバのセット
白いか・イサキなどの入り合わせ

定置網で漁獲された海士町の魚をミックスしてセット販売。

海士町から直送される海の幸はその時々の旬の魚を楽しめる、海士町&大倉ならではのオリジナル商品も販売致しました。

いままで海に戻されていたマイワシだけではなくソウダガツオ、イトヨリダイ、カワハギなども入り合わせに同梱されました。

「白いか・マイワシ」だけじゃない、海士町の旨いさかな

イモガツオ

鰹節によく使用されている

ソウダガツオのこと。

味は濃く、モチモチ!

新鮮であれば刺身が美味しいと言われており、

知る人ぞ知る贅沢な食べ方です。

旬 :
10月末~2月頃(比較的通年漁獲有)

イサキ

6月後半から脂が乗り始め、鮮やかピンク色の身が美しく、脂のりも最高です。

海士町では定置網漁業だけではなく、様々な方法で漁獲されるので
島の方々には馴染み深い夏のご馳走!

甘みを感じる魚の旨さが詰まっています。

海士町の魚は全国へ

海士町の魚を特別メニューとして提供する
(株)コムライン 川井常務様

2024年1月より、愛知県を中心に東海地方で27店舗を展開する(株)コムラインの回転寿司チェーン店

廻鮮江戸前すし魚魚丸(ととまる)様で海士町の魚が採用されました。

海士町から直送された新鮮なマイワシやイサキ、イカなど様々なネタになり特別メニューとして販売を開始。

実際に召し上がったお客様からは美味しい!の声を頂く事が出来ました。

山陰フェアの開催

また、2024/6/14~6/23の10日間、山陰・海士町フェアが開催され、
未利用魚を含む海士町の魚をより沢山の方へ届ける事ができました。

シマメなどのイカ類だけではなく、未利用魚を含むイワシ、イトヨリダイ、カワハギ、イモガツオなども提供されました。

海士町での定置網漁業の様子はテレビでも紹介され一時は店舗のアプリがダウンするほどの注目を集め、フェアは大盛況となりました。

東海を代表する大人気回転寿司に訪れるお客様に海士町の魚を楽しんでいただいた大きな実例となりました。

※現在フェアは終了しております。

最後に ~私達が出来ること~

去年から海士町へ実際に足を運び水揚げがされる船着き場で魚を仕分けている現場を視察した際に
多くの魚が商品として出される事なく海に戻される所を目の当たりにしました。

獲れる魚が減ってきている今、市場で価値が付かないからといって戻されるのは本当にもったいないと思いました。

ですが、未利用魚の活用はただ「もったいない」といっても流通のコストや人手、商流を考えた時に簡単に解決できる問題ではない事も同時に理解をしました。

この取り組みを通して、様々な企業や地域の方の協力と意味のある行動で価値を生み出すことが大切だと感じました。

今後は広くこの取り組みが周知するように継続的な活動が必要です。

大倉ではブランド化した「海士町の旨い魚」を全国の方に知ってもらえるように発信を続け、販売拡大を目指していきます。


最後までお読みいただきありがとうございました。

大倉Instagramでは海士町の取り組みだけではなく、大倉の様々な挑戦について投稿しています!

是非ご覧ください。