未利用魚活用の取り組み【島根県隠岐郡海士町】

2023年4月より大倉は島根県の離島、隠岐諸島の海士町(あまちょう)で獲れる「未利用魚」を活用するための取り組みを行っています。

【未利用魚とは】

・漁獲量の不安定さ・サイズのばらつき・加工の手間・知名度の低さなど様々な理由により利用しづらいため、市場価値が低く、出回っていない魚のことです。

海士町ではこの未利用魚が年間100〜300t発生すると言われています。
このような魚を無駄にする事なく流通させたいと考え、現地に足を運び、関係各社とアイディアを出し合い、海士町で定置網事業を行う飯古建設有限会社様と協同して、「未利用魚」を活用するための取り組みを実施しています。

海士町ってどんなところ?

島根半島沖合60kmの日本海に浮かぶ隠岐諸島(おきしょとう)その中に位置する一島一町の離島、海士町(あまちょう)

本土からフェリーで中ノ島(海士町) まで約3時間10分程の場所にあります。※時期によっては高速船の運行もあります。

人口は2,262人 (2023年)
面積は33.46k㎡、周囲89.1㎞の島になります。

海士町は対馬暖流と大陸からの

冷水塊が交差する、日本海でも

有数の好漁場と言われています。

また名水百選にも選ばれた「天川の水」は日量400tの地下水が

通年湧きだしており、

豊かな自然に囲まれた環境です。

「ないものはない」

「ないものはない」 :2011年から使用されている海士町のキャッチコピー。

・「ないものはなくていい」

・「大切なものはすべてここにある」 という2つの意味を持っています。

島に「ない」ものは多いけれど島にある身近なものを「大切に」していこう。という海士町を象徴する言葉です。

そんな海士町には自然の恵みが詰まっている特産品がたくさんあります。

白いか

旬 7月末〜11月

初夏から晩秋に獲れるイカで、ケンサキイカのこと。身が柔らかくて甘みが特徴です。

岩牡蠣

旬 3月〜6月上旬

隠岐の綺麗な海で、時間をかけて育てられた岩牡蠣。ぷりぷりで濃厚な味、身は大ぶりで贅沢な一品。

旬 通年(10・11月を除く)

栄養分に富んだ隠岐の海で大きく育つ。古来、隠岐産のものは極上とされ、朝廷に献上されていました。

飯古建設 有限会社 定置網事業部

飯古建設 有限会社 定置網事業部
  • 飯古建設 有限会社 定置網事業部
  • 〒684-0404 島根県隠岐郡海士町福井387-2
  • TEL 08514-2-0232/FAX 08514-2-1701
  • 代表者代表取締役 飯古 晴二様
  • 事業内容 総合建設業、生コンクリート製造販売、定置網漁業

島唯一の建設会社が約30年前に始めた定置網事業

1996年に定置網の事業参入、その後は全国からIターンしてきた従業員10名前後で2艘の定置網船で海士町の水産を支えています。

※2006年、海士町漁協は県内沿海漁協唯一独立した単独漁協に

限られた人数と魚が減ってしまっている現状の中でも
最大限の漁獲量を確保するため、
漁が終わっても網のメンテナンスや
盛漁期に魚を獲りこぼすことのないように 海士町の自然と日々向き合いながら、
こだわりを持って仕事をされています。

漁労長の大窪さん
約10年前に海士町へ移住し島と魚を愛す、定置網事業のリーダーです。
頭に巻いているオレンジのタオルがトレードマーク!

定置網漁法とは?

魚の群れが通る場所に一定の期間網を仕掛けておく漁法。

 魚は障害物にぶつかると、より水深が深い沖のほうに向かって進行方向を変える習性があり、

これを利用して奥にある主網へと誘導される仕組み。

メリット

・定置網漁法は港から2~5㎞で行われる事により船の燃料を多く消費せず燃料代が比較的抑えられる。

・受動的な漁法なので過剰漁獲に陥りにくく継続的に漁業ができる

デメリット

・様々な魚種が獲れる一方で漁獲量の不安定さは否めない部分がある。→盛漁期の見極めにより対策は日々されています。

海士町の「旨い」魚を食べてほしい! ~取り組みのキッカケ

海士町では島の漁獲量の半数以上が定置網漁法で水産業が行われています。

海士町の名産と言われる「白いか」は境港では高値で取引がされているものの、

定置網漁法では様々な魚種が水揚げされるため

サイズがバラバラであったり、市場価値が低い魚も沢山漁獲されます。

毎年100〜300tの未利用魚が発生

離島という地理的なハンデにより

人手や本土への販路拡大のノウハウがまだ不足している事、

「未利用魚」をまとめて販売する事が難しく、市場価値の低い魚は泣く泣く海に戻す事しか出来ない状態でした。

この魚を無駄にする事なく、食用として流通させることが出来ないかと考えました。

そこで現地に志村社長が足を運び、漁師、組合、関係企業とアイデアを出し合い、取り組みが始まりました。

最後に

最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。
次回は大倉が実施した海士町の未利用魚活用の取り組みについて掲載いたします。

今回の連載を通じて大倉の取り組みの一つを知っていただければ幸いです。
今後もお客様の期待に応えられるよう、より一層努力してまいります。次回の更新もぜひお楽しみに。

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